特定非営利活動法人itSMF Japan様

クライアント様ご紹介

itSMF Japan様は、ITサービスマネジメントの普及促進を目的として1991年に英国で設立されたit SMF Internationalの日本支部です。日本においては、特定非営利活動法人としては2003年9月に発足。ITサービスマネジメントと関連したフレームワークやプラクティスについての研究の場や情報の提供、各種イベントの開催、会報誌の発行、書籍の翻訳・出版・販売などを行っています。

今回は、Web責任者である長瀬理事と大畑事務局長にお話を伺いました。

Q1. システム導入前にどのような課題があり、システムを検討し始めましたか?

スマートコアへの移行前の旧システムでは、ホスティングサービスを利用していました。OSはCentOSで、WebサーバとしてApache、メールはSendmail、DNSやセキュリティなども自家運営していました。また会員情報は全て事務所内のPC上で稼働する会員管理システム(独自ソフトウェア)で管理していました(Web上のフォームに会員の申込があると、入力された会員情報がftpで事務所内のPCに移される仕組み)。

平川副理事長、西野理事長、長瀬理事、大畑事務局長

会員管理システムが動いていたPCのOSはWindows 7であったため、2020年1月でサポート停止される運命にありました。ホスティングサービスも2020年の年末にサービス停止することが決まっていました。itSMF Japanが使っていたシステムは、Web上でも事務所内でも使用期限が迫っていたのです。

運用面では、Webのメンテナンスはすべて外部業者に依存していました。ページの作成・更新はもちろんのこと、メーリングリストの作成やメンバの登録・削除なども事務局では行なわず、すべて外注に出していました。このため、たとえば作成したページの中の1文字を修正してもらう場合でも、依頼から修正までに数日かかることがありました。

itSMF Japanには、会員同士が集まって研究を行う「分科会」という活動があります。分科会のメンバは、同じitSMF Japanの会員ではありますが所属の組織はさまざまです。そのため会員管理システムとは別に、これも独自の分科会管理システムを事務所内で稼働させて管理していました。このほか、分科会の会員間のコミュニケーション、アンケート収集、ファイル共有、それぞれで別のシステムを使っていました。

itSMF Japanの主要業務はこういったバラバラなシステムの寄せ集めで構成され、それを事務員が手作業で連携させることを長年続けてきていました。オフィシャルサイトのページは大きな変更もなしに掲載情報だけが追加されていた状態でしたので、ページ構成は迷宮のようであり、デザイン的にも古臭いものでした。機能的で一体感のある洗練された新システムが求められていたのです。

Q2. スマートコアに決めた理由は何でしょうか?

新システムへの移行を検討した際、「a) 当時のWebにあって今後も必要な機能」「b) 当時のWeb上にはなく他システムで実現している必要機能」「c) 今後はあることが望ましい機能」の三種類に機能を整理しました。

a)は当然のことですが、セキュリティなどは片時も気を抜くことが出来ない機能ですので、そういったところは事務局の負担が減るようなことが望ましいと考えていました。b)については、必要機能は新システムへ取り込みたい、最低でも会員管理システムや分科会システムを統合したものしたいというのが条件でした。c)では、たとえば「CMSを使って簡単にWebページを制作したい」「会費の請求~支払処理を自動化させたい」「会員間のコミュニケーション機能を充実させたい」という希望があり、新システムでできるかぎり実現したいと考えていました。

新システムの選択肢としては、「1) 当時の現システムを他のホスティングサービスに移行する」「2) 新たにレンタルサーバを借りて新規システムを開発する」「3) クラウド型のサービス上で新規システムを構築する」のほか、無料・有料のホームページ作成までも検討の俎上に載せました。

1)2)は、移植や必要機能の開発に多額の費用が予想されたため、選択肢から落としました。このため3)を軸に検討が進んだのですが、この時点で3)には「会員管理がメインで、販売管理がサブ」「販売管理がメインで会員管理がサブ」の2種類があると認識しました。スマートコアは「会員管理がメインで、販売管理がサブ」のサービスで、小売業者がお店のポイントカードのような形で会員を管理するのが「販売管理がメインで会員管理がサブ」と理解したのです。

itSMF Japanは、a)b)はもちろんのことc)が実現できるということ、移行費用の面で3)が望ましいこと、会員管理を最重視しているため、最終的に「スマートコア」を採用いたしました。

Q3. スマートコアを導入して良かったことは何でしょうか?

旧システムで使っていた会員管理システム(独自システム)はスマートコア基本機能の会員データベース管理とオプション機能の法人会員管理で、同じく分科会管理システム(独自システム)もグループ機能で実現できたため不要になりました。独自システムのメンテナンスがなくなったことは、itSMF Japanにとってはセキュリティ面・費用面・運用面などで大きな意義がありました。

会員からの会費と、書籍等の物販はスマートコアのペイメント機能で実現できました。とくに会費の督促などの処理はスマートコアでは会員管理との連動があるため、大幅に事務工数を削減することにつながりました(以前は、会員期限が迫ったときの催促メールの発信などは人手で行っていました)。

itSMF Japanが行うセミナ(2022年度は7回実施)には、イベント機能を使っています。Webページ作成、参加募集、資料掲載など、やるべき一連の作業がスマートコア上で完結し、応募者への連絡が楽にできるので非常に便利です。

フォーム生成機能は会員からの問合せ(itSMF Japanでは管理者メッセージ設定以外にも独自に用意している)、分科会のメンバを募集する際など会員からのちょっとした入力を必要とする場合にも重宝しています。

旧システムではCentOS(Unix)の操作に慣れていないとWebページの更新もままならない状態でしたから、スマートコアのCMS機能は福音でした。これによって事務局でのページ作成や更新が可能になり、ページに誤りがあった場合の訂正にかかる時間は極端に短くなっただけでなく、ページ更新を外注化しなくなったため費用的には大幅に削減できました。

スマートコアに移行してから、セキュリティへの心配は解消したに等しい状態になっています。システムを使用していて疑問に思うことがあったとしても、サポートシステムに質問をなげかければすぐに回答が得られています。itSMF Japanのような小さな事務局にとっては、システムを強固に支えてもらえる体制が整っていることは非常に助かります。システムの基盤の維持にエネルギーが必要だと、本来の取り組むべき業務やその改善に費やす余力が捻出できないためです。

itSMF Japanでスマートコアを導入完了した2020年春は、列島を新型コロナウイルスが襲ってきていた時期でした。事務所に出勤しなければ使えなかった独自システム(会員管理と分科会管理)はスマートコアに移行済みでしたから、会員関連の多くの業務はどこからでもできる状態になっていました。事務所へは最小限の出勤で済み、コロナ禍をやり過ごすことができて大変助かりました。スマートコアが事務員の健康維持と、事業の継続性の強化に寄与した形です。

Q4. スマートコアには様々な機能があります。今後スマートコアで行いたいことは何かありますか?

オプション機能の追加の検討ですが、itSMF Japanが会員に提供している会員サービスは、使用しているスマートコアのオプション機能またはスマートコア以外の別のサービスを使って実現しています。スマートコアのオプション機能を追加で使用するとしたら、スマートコア以外の別のサービスを使って実現していることを置き換えるか、新しく会員サービスを起こすかもしくは既存の会員サービスを大きく変更して新たにスマートコアのオプション機能を採用することになります。現時点では特段の不都合は感じられていませんが、今後に向けては、会員からの要望やさらなる便利な使い方等があれば検討する事もあり得ると考えています。

スマートコアでは、これは喜ばしいことに、いつの間にか機能が強化されていることがあります。たとえばイベント機能にはZoomと連動する機能が追加されています。ぜひ使いたい機能なのですがまだ利用できていないので、今後ぜひ使っていきたいと考えています。他に、基本機能の中でも、たとえばログの活用ということは考えなければならないと思っています。

スマートコアに既に備わっている機能をこれからよく把握して、十分使いこなして行きたいと考えています。


長瀬様、大畑様、インタビューへのご協力ありがとうございました。

itSMF Japan様会員ページ → https://www.itsmf-japan.org/

※本ページの情報は取材時におけるものです。予めご了承ください。